郵船商事マリン（本社　横浜）が輸入販売代理店を務めるケミカル添加剤メーカー「Innospec社（Innospec Fuel Specialties）」は、5月初旬ClassNK（日本海事協会）よりInnospec社のOctamar燃焼触媒シリーズに対して「Innovation Endorsement（IE）製品・ソリューション」向け認証を取得したと発表した。

対象製品はInnospec社のOctamar Ultra HF、Octamar Complete、Octamar F35Cで、船舶用エンジンからの排気ガスやその他の排出物を削減しつつ、燃料を節約できることが確認された。

ClassNKは同社の添加剤に関して、フィールドトライアル、テストベッドエンジンでのテスト、さまざまな種類の船舶に搭載したエンジンでのテスト、さらに第3者機関が検証するFIAテストなどのラボテストの結果を確認した。テスト結果に含まれる8回のフィールドトライアルでは、平均2.7％の燃料経済性の改善が見られた他、純粋な燃焼触媒を使用した3回のテストで燃料経済効果が2.1〜3.0％改善、燃焼触媒と界面活性剤／安定剤の組み合わせを使用した4回のテストで2.3〜3.9％改善、そして有機燃焼改善剤を使用した1回のテストで3.7％改善を実現できたという。

Octamar Ultra HFおよびCompleteは、燃焼触媒、燃焼改善剤、安定剤／分散剤の組み合わせにより、燃焼触媒作用、着火改善、均質化、および噴霧化／スプレーパターンの改善に3倍の効果がもたらされ、排気中の未燃燃料、煤、PAH、燃焼後の汚れ、黒煙、ブラックカーボンが大幅に削減できる。

ClassNKは、テストレポートによりOctamar燃焼触媒シリーズによる燃料節約の機能を確認し、Innospec 社に対して認証証書を発行している。今後CII（燃費実績の格付け制度）スコアを改善して目標を達成すると同時にIMOによる最新のCII規制への準拠を図ることで、船舶の運航への貢献が見込まれる。